最難関私立 早稲田大学高等学院
神奈川県内で「高校受験において最難関校といわれている学校は?」と問われれば、開成、筑駒、慶應義塾、学芸が挙げられることが多いです。確かに、いずれの学校も駿台模試では偏差値70に迫る学校で(翠嵐、湘南は偏差値60)、人気も高いため、合格するのは至難の業です。ただし、実際の入試問題を見ると、「あれ?それほど難しくないぞ」と思うことがあるのです。先ほど挙げた4校で言えば、慶應義塾と学芸はそれほど難しくありません。慶應義塾を例に挙げると、英語は確かに難しく、高校卒業レベルの英語力が無ければ厳しいですが、数学は基本レベル、国語にいたっては、問題傾向に癖はありますが、簡単と言い切っていいでしょう。学芸は数学がやや難しく、それ以外の教科は基本レベルです。
さて、慶應と並び称される早稲田ですが、慶應と比べるといまいち人気がないような気がします。早稲田実業は比較的人気ですが、この学校はあくまで系列校で、付属校ではありません。早稲田大学の付属校、いわば本流は早稲田大学高等学院ですが、神奈川県内においてこの学校を志望する生徒は滅多にいません。東京の練馬にあって遠いから、とよく言われますが、この理由には疑問があります。神奈川県内においても埼玉県にある慶應義塾志木は比較的人気があるからです。早稲田大学高等学院がなぜ人気がないのか?それは、入試問題の難しさにあると考えています。
この早稲田大学高等学院は英語、数学、国語、いずれも応用レベルで、しかも小論文まであります。この小論文の存在が、この学校を敬遠する理由なのではないでしょうか?さらに、過去問をやっても、解答に小論文の模範解答がありません。
早稲田大学高等学院の小論文には、受験者の本物の国語の力を探ろうという意志が見えます。テーマも平和、科学、知、認識、貧困などで、まさに大学受験の前哨戦といえる内容となってます。与えられる課題文も厳選されており、この学校の国語科の教員の教養を感じさせるものです。英語、数学に比べ、軽視されがちな国語ですが、配点を見れば英語、数学と同じなのですから、志望校合格の戦略としてもこの早稲田大学高等学院の現代文、小論文を通じて本物の国語の力を身に付けてもらいたいものです。
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